はじめに:赤ちゃんを抱っこするたびに走る痛み
長女を出産時に腱鞘炎で悩まされた際の経験です。
出産後、慣れない育児が始まった頃。
「赤ちゃんを抱き上げるだけで手首がズキンと痛む」 そんな感覚に襲われました。

最初は疲れのせいだと思っていましたが、日を追うごとに痛みは強くなり、哺乳瓶を持つのも辛い…。
家事もスムーズにできず、「私、育児向いてないのかな…」 と涙する日もありました。
後からわかったのは、それが 「産後腱鞘炎」 だったということ。
出産や授乳によるホルモン変化、抱っこの繰り返しが原因で、多くのママが経験する症状だそうです。
産後の腱鞘炎とは?原因と仕組み
「腱鞘炎」とは、筋肉と骨をつなぐ“腱”が通るトンネル(腱鞘)が炎症を起こしてしまう状態。
特に 親指の付け根から手首にかけての部分(ド・ケルバン病) に痛みが出やすいのが特徴です。
産後ママに多い理由
- 赤ちゃんの抱っこや授乳で 手首に負担が集中
 - ホルモンの影響で 腱が緩みやすく炎症を起こしやすい
 - 睡眠不足やストレスで 回復力が下がる
 
出産を経験したママの約半数が、何らかの形で手首や指の痛みを感じたことがあるとも言われています。
私の場合:授乳期のピークに悪化
特に痛みが強くなったのは、生後2〜3か月頃。
授乳や寝かしつけで抱き上げる回数が増え、気づけば両手首が悲鳴をあげていました。
- 赤ちゃんを抱き上げた瞬間、手首がカクッと折れそうになる
 - 湿布を貼っても一時的にしか楽にならない
 - 朝起きたとき、手がこわばって動かしづらい
 
育児中は自分のことを後回しにしがちですが、痛みが続くと抱っこもつらく、心まで沈んでしまいますよね。
病院での診断と治療:早めの受診が大切
我慢できなくなり、整形外科を受診しました。

医師からは「**典型的なド・ケルバン病(産後腱鞘炎)**ですね」と診断され、腱鞘部分に炎症が起きているとのことでした。
治療法としては:
- 炎症を抑える塗り薬・湿布
 - サポーターでの固定
 - 症状が強い場合は注射治療
 
授乳中は薬に注意が必要なため、まずはサポーターでの安静 が中心となりました。
効果を感じた対策:しっかりしたサポーターで安定
市販のサポーターをいくつか試しましたが、
最も効果を感じたのは 「親指までしっかり固定できるタイプ」 でした。

手首だけでなく、親指の付け根も支えてくれることで痛みが和らぎました。目立ちにくい伸びる布タイプのサポーターも使ってみたのですがそちらだと効果が薄く、こちらは目立ちますが、しっかり手首と親指をホールドしてくれて痛みが軽減されました。
ポイントはこの3つ:
- 親指の付け根まで固定できること
 - 着けたまま抱っこや授乳ができる素材
 - 通気性がよく、長時間つけてもムレにくい
 
サポーターを使うことで、日中の痛みが明らかに軽くなり、
「これならまた抱っこできる」と気持ちも前向きに。
家事・育児の工夫で負担を減らす
腱鞘炎を悪化させないために、日常生活でも少しずつ工夫しました。
- 抱っこは手首ではなく腕全体で支える
 - 沐浴はパパや家族にお願いする(パパが夜遅くなる場合、朝沐浴も視野に)
 - 哺乳瓶・おむつ替えなど手首をねじらない姿勢を意識
 - 痛みが強い日は抱っこ紐に頼る
 
無理せず「今は回復期間」と割り切ることも、育児を続ける上で大切だと感じました。
痛みと気持ちのつらさ
腱鞘炎は「動かすと痛い」だけではなく、心の負担も大きいです。
赤ちゃんを抱きたいのに痛くてできない、
家事も進まず自分を責めてしまう――そんな時期が続きました。
特に印象的だったのは、
「痛みに耐えながらの授乳は、喜びよりも苦痛が勝ってしまう瞬間がある」ということ。
でも、同じように腱鞘炎に悩むママたちの声をネットで見つけ、
「私だけじゃない」と思えたことで少し気持ちが軽くなりました。
授乳を終えて感じた変化|ようやく訪れた“痛みのない日常”
授乳を卒業してしばらく経つと、少しずつ手首の痛みが落ち着いていきました。
夜中の授乳や抱っこの回数が減り、手を休める時間が増えたのも大きかったように思います。
それでも完全に治るまでには時間がかかり、痛みが再発することも何度かありました。
「もう大丈夫かな」と思っても、長時間の抱っこや重い荷物を持った翌日にまたズキッとくる…。
そんなときは焦らず、
「今はまだ回復途中なんだ」と自分に言い聞かせて、
しっかりサポーターを装着し、手を休めるようにしました。

💬少しずつ前向きに
痛みのある時期は、正直なところ心も沈みがちでした。
思うように抱っこができない自分を責めたり、家事が滞ることに落ち込んだり。
でも、ふとした瞬間に赤ちゃんが笑ってくれるだけで、
「無理しすぎなくてもいいんだ」と気づかされました。
完璧じゃなくても、“笑顔でいられること” が一番大切だったと思います。
これから腱鞘炎に悩むママへ伝えたいこと
- 我慢しないで早めに受診を
→ 放置すると長期化しやすいです。早期の固定がカギ。 - 授乳中でも使えるサポーターを見つける
→ 医療用や産後ママ向けタイプなら安全に使えます。 - 周囲に「手が痛い」と伝える
→ 頑張りすぎず、家族やパートナーにサポートをお願いしましょう。 - 「治らない」と思わないで
→ 授乳が終われば自然と改善することも多いです。 - 自分を責めないで
→ これは「育児を一生懸命頑張っている証拠」です。 
まとめ|“がんばりすぎない”ことが回復への第一歩
- 産後腱鞘炎は、多くのママが経験する一時的な症状
 - 抱っこ・授乳などで手首に負担がかかるのが主な原因
 - サポーターや安静、家族の協力で早めに対処を
 - 完治まで時間がかかるが、焦らずケアを続けることが大切
 
出産や育児は、想像以上に体への負担が大きいもの。
だからこそ、自分を責めず、手をいたわりながら過ごしていきましょう。
そして痛みが落ち着いた今、改めて思うのは、
「ママが笑顔でいること」こそが、赤ちゃんにとって一番の幸せ だということです。
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産後の体は、見た目以上にダメージを受けています。
腱鞘炎だけでなく、発熱・貧血・気分の落ち込みなど、さまざまな不調が起こりやすい時期。
無理せず、少しずつ自分のペースで回復していきましょう🌸
  
  
  
  

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